手首を痛める原因と予防(後編)

今回は前回から引き続き『手首の痛み』についてお話していきます。
前回は、手首の痛みの原因は腱鞘炎だけではないこととや、意外と手首は複雑な作りをしているためよくよく原因を見極めないと治りにくいと言ったことをお話ししました。前回の投稿は以下よりご覧ください

前回の投稿はこちら

今回の投稿では実際に、腱鞘炎などではないけど、実は日常で起こりやすい手首の怪我について症状を3つご紹介していきます。

実は日常に潜む手首痛の症状の種類

1.舟状骨骨折
2.有鉤骨鉤骨折
3.尺骨突き上げ症候群

上記3つの症状は医者から診断されない限りはなかなか知ることのない症状かもしれません。ですが、中には腱鞘炎などと間違われて診断されることもあるくらい、日常的に起こりうる怪我です。その特徴を以下で解説いたしますので、よろしければ参考にしてください。

舟状骨骨折

よく腱鞘炎と間違われやすいものの、正しく対処しないと変に痛みが長引いてしまう厄介な怪我です。痛めたときは手首の親指側に痛みと、腫れが生じます。また、レントゲンでは特定しづらいほどの骨折ですのでなかなか舟状骨骨折と診断されづらい怪我でもあります。

舟状骨骨折の原因

手をついたときの衝撃で舟状骨が骨折することによって発症します。このけがは名前の通り骨折です。ですが、痛めてから数時間で痛みが引くこともあります。しかし、痛みはなくとも骨がちゃんと癒合しないままになってしまう『偽関節』という状態になってしまうことが多くあります。この場合、普段は痛みが無いのですが、ふとした拍子に痛みが走るなど完治していない状態ですので、一度整形外科で診察されることをおすすめします。

舟状骨骨折の治療方法

偽関節の状態になってしまうと、完治方法は手術しかないと言われています。一方で、痛めてすぐであれば手技治療と保存療法で完治が可能です。当院では、触診しながら痛めた箇所を特定し正しく骨がくっつくように、手技治療で正しい位置に骨を戻してあげます。その後、テーピングして安静にしていれば、1~2週間ほどでおおよそ回復します

有鉤骨鉤骨折

こちらは、舟状骨骨折とは逆で、手のひらの小指側に痛みと腫れが生じます。ものを握ると痛い、手を着くと痛いなど、手のひらに負荷が掛かると痛みが生じることが多いです。

有鉤骨鉤骨折の原因

有鉤骨鉤とは手のひらの付け根あたりにある少し出っ張った骨で、ここが骨折することで有鉤骨鉤骨折は起こります。転んで手をついたときや、強くテニスやバットを握ったときに起こることもあるのですが、慢性的な疲労の蓄積で骨折することもあり、これもまた原因不明の腱鞘炎と診断されてしまう事が多い症状です。患者様が骨折のきっかけとなる動作を自覚していない場合が多く、特定の難しい症状となります。

有鉤骨鉤骨折の治療方法

スポーツ選手は欠けた骨を摘出するなど外科的治療法を採用することもありますが、保存療法でも正しく対処すれば十分に完治が見込める怪我となっています。ですが、骨折は骨折ですので、固定して安静にしていても完治までは6週間~12週間ほどかかってしまいます。特に手首・手は日常的に使ってしまう箇所でもあるので、長引かせないためにも特に安静第一が重要な怪我です。

尺骨突き上げ症候群

こちらは前述した2つの怪我とは異なり、骨折ではなく手首と前腕を繋ぐ関節部分が炎症することで痛みが生じる怪我です。ドアノブを回す、雑巾を絞るなど握る動作をすると痛むことが多く、野球やゴルフ、テニスなどでも発症します。この症状は外傷が原因ではなく、徐々に関節部分に負荷が掛かっていくことによって引き起こされるため、患者様自身に自覚症状が無い場合が多いです。

尺骨突き上げ症候群の原因

原因としては、前腕小指側の手首の骨(尺骨)と手首の根元の骨(手根骨)がぶつかる、擦れあうことによって、手根骨の関節部分を覆う軟骨が傷ついたり関節に負荷が掛かって痛みを生じるものになります。慢性的な痛みであるがゆえに腱鞘炎と間違われることもままあり、治療に時間の掛かる症状でもあります。

尺骨突き上げ症候群の治療方法

とにかく、炎症している関節・傷ついた軟骨にこれ以上負荷を掛けないように、手首を固定し安静にすることが第一です。また、骨折でないとはいえ、痛みを放置し症状が悪化すれば外科的治療でしか治せなくなることもあります。こうなると、骨癒合に3か月を要する大事に至ってしまうので、そうなる前に早めの診療を受けることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。2回にわたって手首の怪我についてお話してきましたが、以下に手首が治りにくく、また症状自体が特定しづらい箇所であるかをお伝え出来たかと思います。この投稿をご覧いただいた方は、是非「気づいたら手首が痛い=腱鞘炎」と決めつけずに、早めに診療し、大事に至る前に対処するようにしていただけたら幸いです

引き続き、皆様の日常から少しでも痛みが減るために情報を発信してまいりますので、宜しくお願い致します。

ふじと接骨院院長
藤戸慎一郎

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