肘内障と上腕骨顆上骨折

今回は肘内障という怪我についてお話ししたいと思います。
この怪我、子どもによく起こる怪我なのですが、実はある骨折と症状が非常に似ており、肘内障と混同され骨折が1か月も放置されてしまうこともあるような怪我なのです。肘内障とはなにか、間違われやすい骨折、治療方法について、詳しくお話しします。

肘内障とは

肘内障とは簡単にいうと子供起こる肘の脱臼のような症状です。(正確にいうと脱臼ではないのですが今回は細かい点については割愛します。)発症は2歳~5歳くらいの子供に多く日常の様々なシーンが発生起点となります。
・洋服を着るとき
・でんぐり返し
・転んだ拍子に
・寝返り
・親や友達が腕を引っ張ったとき
などです。

お子さんが非常に痛みを感じ腕を曲げた状態で下げたままにしているときはこの肘内障の可能性が高いので、無理に動かさず、お近くの接骨院・整骨院・整形外科で診てもらってください。

肘内障自体は直すのが簡単

肘内障は治療に時間がかかる怪我ではありません。治療院の先生なら誰でも知っている肘のはめ方を行うことで、コクッと音がして、痛みが消え、動かせるようになります。しかし、時にはこの治療を施し、肘がハマっても痛みがまだ続くことがあります。これは、肘内障と同時に、もしくは肘内障ではなく、『上腕骨顆上骨折』を発症している可能性があります。

上腕骨顆上骨折とは

主に3~8歳の子供に起こりやすい骨折で、子どもの肘の骨折の中では、過半数を占めて最も発症頻度の高い骨折です子供の肘の上あたりの太い骨が骨折してしまう怪我で、非常に強い痛みを伴います。また、その発生起点が「転んだとき」や「友達と遊んでて腕を引っ張られたとき」など非常に肘内障の発生起点と似ているため、この二つの症状が間違われることが起こってしまうのです。

レントゲンを撮っても要注意

肘のレントゲンを撮って、肘内障と診断されたから大丈夫。と思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、それが実は一番危ういのです。レントゲンは確かに骨の状態を見ることが出来ますが精緻な画像ではありません。なので、骨が大きくズレているときは良いのですが、『あまり折れた骨同士にずれが無い場合』骨折を見落としてしまうことがあります。

誤った処置をしないために

では、このように混同されがちな怪我をどのように正しく対処すればよいのでしょうか。
重要なことは2つ
・可動域の確認
・素早い対応
です。

可動域の確認

肘内障にせよ上腕骨顆上骨折にせよ、その痛みはすさまじいもので子供はそのショックで治療後もずっと泣き続けることが多いです。だからと言って『とりあえず肘内障だろう』と治療してそのままにすることは絶対にしてはいけません。肘内障の場合治療後は治療前と異なり、スムーズに痛みなくバンザイができます。なので、必ず接骨院・整骨院・整形外科で治療してもらったとは、バンザイをさせて痛みが生じるかどうか確認しましょう。万歳が出来ない、痛み生じるのであれば、上腕骨顆上骨折の可能性が非常に高くなります。

素早い対応

肘内障の痛みが簡単に治まることを知らない親御さんだと、治療してもらった後も痛がっている子供を図らずも放置してしまうことがあります。他の脱臼なんかは、整復後も患部が炎症していたりして痛みが続くことがありますが、肘内障の場合はそういったことはあまり起こりません。ですので、整復してもらった後もお子さんがその日中痛がるようであれば、上腕骨顆上骨折の疑いが高いので、なるべく早く整復してもらった接骨院・整骨院・整形外科とは別の整形外科で詳細に診てもらいましょう。既に診断してもらったお医者さんだと、バイアスがかかる可能性が高いので、第3者的な治療院に診てもらうのが良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
重要なことは、
・肘内障の時は上腕骨顆上骨折も疑う
・子供が治療後も不自然に痛がっていることに気づいてあげる
・2回目の診断は必ず第3者的な治療院へ
です。

上腕骨顆上骨折の場合は、必ず手術が必要なくらいの大けがです。
後遺症が残りやすく、変形治癒したりするので、必ず上腕骨顆上骨折の疑いがある場合は、すぐに整形外科へ行きましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

次回は「タナ障害」という症状についてお話しします。
次回の更新は2021/11/22です。

宜しくお願い致します。

ふじと接骨院院長
藤戸慎一郎

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