膝の痛みの原因 後編

今回は前回に引き続き『膝の痛みの原因と主な膝痛の症状』について解説していきます。
今回ご紹介する3つの症状は、正しく診療しないと慢性化する可能性のある厄介な症状です。

前回の投稿の中でも、膝痛は複数の怪我が同時に起こることが多いということをお伝えしました。皆様が少しだけ膝の症状について知っていると、お医者様へのコミュニケーションも捗り、診療を正しく行うことが出来るかとも思います。もし、皆さんの中で膝痛に悩まされている方々がいらっしゃいましたら、その治療の一助となれば幸いです。

膝痛の症状の種類(再掲)

膝痛は非常に多くの種類がありますので、以下には主だった症状を記載いたします。
1.変形性膝関節症
2.半月板損傷
3.膝靭帯損傷
4.膝離断性骨軟骨炎
5.オスグッド病
6.膝蓋骨脱臼

1~3の症状についてはこちらをご覧ください。

今回の投稿では、このうち4~6について解説しようと思います。

膝離断性骨軟骨炎

この症状の特長は、発症初期はほとんど自覚症状が無いことにあります。なので、発症した原因となる動作の特定が難しく、半月板損傷や後続でご説明するオスグッドなどと間違われやすい症状です。また、発症原因となる動作の特定が難しいので、痛みが慢性化、長期化することもあります。

膝離断性骨軟骨炎の痛みの原因

若年層のスポーツ選手に起こることが多い症状です。何度も膝に負荷が掛かることによって、膝の血行が悪くなり、膝の軟骨が分離・遊離してしまいます。特に膝の内側の上の部分(大腿骨の付け根あたり)で発症することが多い症状です。症状の初期段階ではレントゲンだと写りづらいことが多い為、確定診断するにはMRIでの検査が必要となります。部活動をしているお子様が膝に引っ掛かりを感じているようであれば、一度MRIで検査されることをおすすめいたします。

膝離断性骨軟骨炎の治療・予防方法

基本的に初期段階では自然治癒でも治る症状です。テーピングや装具を付けることにより膝への負担を減らし、徐々に回復へと向かわせます。しかし、保存療法でも回復が見られない場合は遊離した軟骨と除去したり、固定したりする手術を要します。

オスグッド病

発育期のスポーツ少年の膝痛といえば、代表的なのがこの「オスグッド病」です。膝のお皿の下の部分が徐々に出てきて痛みを生じる症状で、赤く腫れたり、患部が熱を持ったりします。安静にしていると痛みが引くものの、また動き始めると痛みが再発してしまいます。

オスグッド病の原因

10代前半の成長期の子供が飛び跳ねたり、ボールを蹴る動作を繰り返したりすることにより、膝の下側の軟骨が剥離して痛みが生じることになります。また、度重なる膝への負担で発症するという点で、半月板損傷や靭帯損傷などと診察が混同されたり、同時に発症している場合がありますので、正しい診療には注意が必要です。オスグッドが治っても、他の症状に対して治療施していなければ、痛みが引きづらかったり、再発したりします。

オスグッド病の治療・予防方法

オスグッドは成長期の一過性の症状であるため、成長が終了すると多くの場合は治癒します。逆に言うと、高校の部活動まで痛みの再発が見られる場合には、別の症状の可能性が高いため、再度診断を受ける必要があります。また、オスグッド発病中の痛み対策としては、「アイスマッサージ(氷を入れた袋で膝をなでるようにするマッサージ)」や「大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)のストレッチ」などが効果的です。使い過ぎないようにすることはもちろんですが、どうしてもの場合は上記のような対処をするとよいでしょう。

膝蓋骨脱臼

膝の前側お皿の部分が外側へ脱臼する症状です。痛みや腫れが生じますが、脱臼が癖になり複数回生じているうちに痛みや腫れはあまりでず、その代わり膝の不安定感を抱くようになります。自然と脱臼が戻ることもあり、レントゲン写真からは診断されないこともあります。一方、骨折と併発していることもあるので、自然と膝がハマったからといって放置するのは危険ですので、一度必ず整形外科で診察してもらうようにしましょう。

膝蓋骨脱臼の原因

スポーツなどジャンプした後の着地で、膝とつながっている太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く引っ張られた際に生じます。生まれつき外れやすい人も一定数存在する症状で、ジャンプに際し不安を抱えている、痛みが時々出る等に心当たりがある方々は、一度重点的に診てもらうのが良いかもしれません。

膝蓋骨脱臼の治療・予防法

基本的に脱臼ですので、元の位置に戻してあげて、3週間安静にすれば完治します。しかし、自然と戻って痛みが治待っている場合、正しい位置に戻っていないことがあります。そうすると、外れやすくなる原因になり、癖になってしまいます。発症1回目に正しく対処し、3週間の安静を守ることでこそ、その後のスポーツ活動を守ることが出来ますので、必ず診療し保存療法の期間を設けるようにしてください。

いかがでしたでしょうか、膝痛の最大の難題は、複数の症状を同時に発症している場合が多いことです。従って、一つの症状だけに目を向けて治療するのではなく、その他の怪我も発症していないか十分に注意し、多角的に治療を受けることをおすすめします。

次回は膝と同じくらい様々な症状を抱えやすい肩について解説いたします。肩こり・四十肩/五十肩だけではない、様々な症状についてお伝えすることで、少しでも皆様の助けになれれば幸いです。次回も宜しくお願い致します。

ふじと接骨院院長
藤戸慎一郎

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